洋酒文化に造詣の深い石垣 憲一氏の新刊。カクテルの出自、薀蓄を
圧倒的とも言える参考資料(巻末に一覧)を元に文化、歴史を含め検証考察。
氏の運営するサイトでちらほら語られてはいたが、世に出回っている通説、薀蓄の
なんといいかげんなことか。バーテンダーなら必読の書である。
このような本が出てしまった以上は通説、思い込み、勘違い、伝聞(それこそ眉唾物の)を
バーテンダーは営業のトークで使うのは自重したほうがいいだろう。
というより、目の前の客に(「あ~こいつ間違った知識をさも自慢げに語ってやがる。プゲラ」)
とか思われたとしたら、私ならいたたまれない。
読め。学べ。アマチュアの石垣氏がここまでやったことに感嘆し感謝するならば、
プロとしての己を恥じ、自ら学び、この本以上の知識を自分のものとすべし。
気になった点はふたつ。
他著書でも気になった事だが、文末が統一されておらず個人的には読んでいて非常に不快。
~です。~します。のほかに~ですが。~ですよね。~かしら。~でしょうか。~ですね。という
頓呼法が多用され、ですます、である、体言止めが混在し文章によって使い分けると言うよりは
手ナリで書いてリライトしていないという印象をうける。
編集者はこういったところは気にならないのだろうか。文章の価値を損なっているとすら感じる。
もう一点は、改行が酷い。酷すぎる。
「ステ 改行 アする」「マティー 改行 ニが」「「シャ 改行 ンパンの」など、
ただ一行の文字数にあわせてぶった切っているだけ。
内容がスムーズに頭に流れ込んでくることを大いに阻害される。
きちんと一語をとって改行、段落変換などをしているところも無くは無いので
ただの手抜きとしか感じない。
個人的に石垣氏とメールのやり取りもしたことがあるので断っておくが、氏の仕事、業績、
文章の価値は素晴らしい。第2弾も発行予定とのことなので大いに期待したい。
最後にもう一度言っておく。プロなら読んどけ。しったかするとプロでも恥を掻く。
石垣さん、あんたは罪な人だw
追記:まさか自分より年下だとはびっくりデスw40半ばのナイス髭ダンディを想像してました。
さて今年もカクテルカタログシリーズの新刊が出たわけですが・・・
お気づきかと思いますが、出版社が変わってます。
昨年まで12年にわたり毎年刊行してきた成美堂出版に変わり
アポロコミュニケーションという会社に、
編集はアイシープロデュースになりました。
本の内容自体は成美堂の培ってきたフォーマットをそのまま丸まる
ぱくっているので出版社が変わったことに気が付かない方も多いでしょう。
まあ、可もなく不可もなく、以前と変わらぬ内容と構成です。
資料的な価値は相変わらず高いと思います。
記事を一部訂正。某所からのアクセスが多いみたいですwちょっと過激でしたでしょうかww
おしゃれなフルーツカクテルの事典―フルーツを使ったきれいでヘルシーなカクテルを
先日紹介した「カクテルベストセレクション250」の再編集本。
掲載レシピは変わらず、新書版にサイズダウン。紙面が限られているので
各カクテルの解説はかなり省かれているがしょうがない。
その他テキストの内容などはほとんど変わらないのでその辺が気にならない方は
本書で十分事足りる。でもやっぱり私はベストセレクションの方を強くお勧めします。
リキュールで楽しむカクテル321―リキュール別とっておきカクテルの作り方
多数のカクテルコンペで優秀な成績を収めている「カクテルの街、宇都宮」出身の
著者が贈る本。自身も多数の入賞暦を持っている。表題の通りリキュールを前面に押し出し、
内容もまずリキュール壜の写真とそのテイスト、歴史、製造法などの簡易的な解説と度数、
エキス分、製造元、輸入元などの情報を表示。
その後そのリキュールを使用したカクテルの写真、レシピ、解説等を1ページに一つずつ紹介。
全108種と数はちょっと少ない。本も装丁的には問題ないがハードカバーで紙が厚めなので
いささか扱い辛い。レシピ数3倍くらいのソフトカバーでの改訂を強く望みたい所である。
どちらかというと素人向けの本